殺 法 高松 壽嗣

高松 壽嗣
たかまつ としつぐ
1889年-1972年
~最後の実戦忍者~
戸隠流を初めとする多くの忍術、体術、古流武術を収め、その生涯において幾度に渡る実戦のエピソードは凄まじいの一語に尽きる。
不良集団60人を相手にした1対60の決闘に始まり、真剣を用いた勝負など文字通りの真剣勝負を地で行く、武神とまで讃えられた武術家であり、「蒙古の虎」との異名で恐れられた。
自伝によれば、実戦12回、試合7回とあるが、実戦とは、いわゆる”死合”を意味しており、命のやり取りであった事がうかがえる。
五体を極限までに鍛え上げ、身体そのものを武器化するなどの発想は、およそ常人では辿りつけない境地である。
特殊な鍛錬法によって猛禽類の爪の様に変形したその指先は、技と言うよりは、むしろ限りなく自然体であり、野生的な本能によって形成された純粋なる戦闘形態と言うべきなのかも知れない。
武術における究極とは、まるで野生動物の如く、その肉体自体を武器化する事になるのだろうか。
| ホーム |