石の拳 ロベルト・デュラン

ロベルト・デュラン
1951-
~中南米の星~
石の拳を持つ男
中南米パナマ共和国出身のボクサーで、ライト級、ウェルター級、スーパーウェルター級、ミドル級の4階級を制覇した伝説の王者。
その強烈なパンチは「石の拳」と称された。
1968年16歳でプロデビューして以来、連戦連勝を重ねると、1972年、無敗のままWBA世界ライト級王座を獲得する。
翌年、ノンタイトル戦で敗れたため29連勝無敗の記録はストップするが、同年、パナマで行われたタイトル戦では、ガッツ石松氏を破り3度目の防衛に成功する。
後に世界ライト級王者となるガッツ石松氏は、石の拳と形容されるデュランの強打について「本当に石で殴られているみたいだ。これは勝てないな。」と前半ラウンドで感じていた事を明かしている。
その後は、ライト級タイトルを返上し、スーパーウェルター級タイトルに挑戦する。
当時、天才の名を欲しいままにしていたシュガー・レイ・レナードを僅差の判定で破り、王座奪取に成功。これにより2階級制覇を成し遂げる。
パナマの英雄として、国民的スターになったデュランは、その後も順調に勝利を重ねてゆく。
しかし、レナードとの再戦では、レナードの執拗なアウトボクシングに嫌気がさして試合を放棄してしまい、国内でもバッシングを浴びる事となった。

これを跳ね返すかの様に階級を上げて挑んだタイトル戦では、見事に王座奪取に成功し、これにより3階級制覇を成し遂げる。
その後、黄金期と言われた80年代のSウェルター級及び、ミドル級を主戦場に強豪選手達との死闘を繰り広げる。
無類の強さを誇るデュランであったが、時の強豪選手達もまた黄金期と呼ばれるに相応しい実力者揃いであった。
後に"ラスベガスの衝撃"と呼ばれた試合では、痛恨の強打を浴びてマットに崩れ落ちる一幕もあった。
もはや、衝撃映像の部類に入るほどの痛打に体調が心配されたが、幸いにも無事であった。
その後も変わらず試合を重ねた1989年、38歳となっていたデュランは再びミドル級王座に挑むと見事に勝利で飾り、4階級制覇を達成した。
ノンタイトル戦であっても精力的に戦い続けたデュランは、通算119戦を行い、KO及びTKOで敗れたのは僅かに4回だけという怪物的な戦績を残した。
2002年、パナマシティにて、引退を表明。
中南米の星として栄華を極めた天才ボクサーは、静かにリングを降りた。
2006年、偉大な功績を残したボクサーに送られる世界ボクシング殿堂に名を連ねた。
生涯戦績:プロボクシング
119戦 103勝 70KO 16負
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